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GUTS FOR LOVE : KAI YOSHIHIRO

GUTS FOR LOVE
21st Anniversary として95年はSingerのステージで久しぶりな「甲斐バンド」を見てそのステージはより「バンド回帰」を感じさせる内容へと変っていった時期のツアーか・・・。
この頃アルバムツアーの意識がどうにも低く感じられ、思えば94年末は「太陽は死んじゃいない」がリリース['94.12.7]されるも、空気はSinger一色であり、その後を継ぐライヴはROCKUMETでこれは通常フォーマットとは違った展開への実験ライヴ(言い切れないが)であり、その内容の濃さは回を追うごとに素晴らしさを増していったものだが、このGUTS FOR LOVE TOURまでにはファンクラブのコンベンションであるスペシャルライヴを挟んで久ぶりな、アルバムの名を冠したツアーであった。
それなのに・・・・このパンフレットの公開にも忘れられてしまうような状況であったのだ、とつくづく思ってしまう。
これは個人的感覚なので充実感を感じた方には申し訳ないが、アルバムから7曲も演奏されたライヴでありながら、印象が「甲斐バンド」に向いてしまうセットリスト順にそれは表されていると思う。(ちなみに私が見ているライヴは渋谷公会堂のみです・・・)。

パンフレットの解説がおざなりになりそうだ・・・えーと、このパンフはLPジャケ風のもので作りは良いです。
中に先にも書いたファンクラブのコンベンションライヴの冒頭に行なわれた、佐伯明氏vsDR.Y(甲斐よしひろ)とのトークが収録されている。
あの場では「苦笑」というカンジの場面もあったが、いまこうして読んでいると笑ってしまうのだった・・・


Welcome To The GUTS FOR LOVE


Guts For Love

あの夜明けは

どこだ?

CONVENTION LIVE TALK


KAI YOSHIHIRO
CONVENTION LIVE
21.NOVENBER.1995
AT NISSIN POWER STATION
SHINJUKU


95年11月21日、新宿パワーステーションで甲斐よしひろのコンヴェンションライヴがおこなわれた。
コンヴェンションとは"代表者大会"という意である。
甲斐バンドのデビューから21年を経てこの日集まった人間は、どんな仕事に従事しているにせよ、甲斐よしひろのファンの代表と言ってもさしつかえあるまい。
代表者が集った以上、そこで示されるライヴは何らかの"旗印"となるだろうし、それが印である説明もあってしかるべきだ。
甲斐よしひろは、自身をDoctor.Yと名乗って、緩急折り混ぜながら自分を語り始めた。
僕はその場で、触媒であったにすぎない。
まるで公開ラジオのような(僕は小学生の時、九段会館の公開録音で初めて甲斐を観た)、それを受け止める人間がそこにいて初めて成立するような、彼のステイトメント的しゃべりを再録してみた。

(佐伯明)



佐伯
みなさん、こんばんは。
本日はようこそ、甲斐よしひろコンペンンションライヴに。
え一今日はですね、コンベンションライブということで、いわゆる普通のライブの前に前説をやってトークで盛り上げろと、そういう指令がでまして。
私はいつも机の上で原稿を書いているんですが、こういう人前に出てくるのが大好きということで、かり出されてやってきました音楽文化ライターの佐伯明です。
よろしくお願いいたします。
それでですね、甲斐さんは今回古巣のレコード会社の東芝EMIに戻りまして新しいスタートをきろうとしているわけなんですけね。
そこでそれにあたって僕は東芝EMIの甲斐バンドからの全力タ口クを見たんですけれど、そのタイトル数にびっくりしましてですね、やはり74年デビューというのはかなりのもう、20年以上4半世紀に至ろうとするすごい歴史であるなあと思ったんですけれど、僕が甲斐さんと最初に会ったのは甲斐バンドの解散間近でしたので、まだたかだか10年ちょっとぐらいだと思うんですが・・・。
そういうまあ、新参者に、甲斐よしひろの全エスプリを語らせるというのは、多々不備もあるかと思いまして、今回は特別に甲斐よしひろを熟知しているというドクターYさんをお招きしておりますのでその方とトークで盛り上げていきたいと思います。
ドクターよろしくお願いします。


佐伯
イエーイ。


Dr.Y
どうもグーフィー森です(笑)


佐伯
受けません(笑)


Dr.Y
イズミアサトです。
あーなるほどね。


佐伯
ドクターはあのやはり、甲斐さんのホームドクターでいらっしゃるわけですか?


Dr.Y
そうですね。


佐伯
ということはかなり・・・。


Dr.Y
もう結構古く。


佐伯
ああそうですか。


Dr.Y
これでも、ドクターに見えます?


佐伯
いやゼーンゼン見えません。


Dr.Y
さっきウチのマネージャーがこれにハンカチーフしましようって言って、いきなり水玉出してきて「そりやお前玉置宏だろう」って・・・。
これに水玉チーフするってすごいですよ、司会業みたいになっちゃいますからね。


佐伯
そーいうドクターはいないでしょうねえ。


Dr.Y
うん


佐伯
ネクタイがすごいですね。


Dr.Y
ネクタイでしょ?


佐伯
ええ。


Dr.Y
それは聞かないで(笑)


佐伯
なんで?


Dr.Y
この後の衣装の関係もあるからさ(会場笑)


佐伯
どの辺で開業なさっているんですか?


Dr.Y
あのー、白金台の方で、ちょっとハデな矢面に立った通り沿いじゃなくてちょっと裏手のほうで。


佐伯
ああ、町医者っぽいという。
あのドクターから見てですね、甲斐さんの悪いところとか・・・なにがこうありますか?


Dr.Y
ええ。


佐伯
日頃見て特別悪いところとかあるんですか?


Dr.Y
そうですね・・・あの頭はあんまり良くなさそうですね(笑)


佐伯
うまい。


Dr.Y
何か本当にあれに冷静さが備わるともっとホントにずっと良くなるんじゃないかって感じがしますけど。


佐伯
ああ・・・。


Dr.Y
ただ思ってるより、世間の評判ほど粗野だとかそういうことは(笑)


佐伯
粗野ね(笑)


Dr.Y
(客に向けて)笑いすぎだお前バーロー(会場笑)。
いや、どうもありがとうございました。
それぜひ言って欲しいなと思ってたんですけど。


佐伯
その人知れずドクターが見て甲斐さんが日頃健康で注意していることとか。


Dr.Y
あの人、あのほら、すごくあれですから、健康面だけですから、気を遣ってるのは。


佐伯
あー。


Dr.Y
その分、その一生懸命さ分、仕事に注ぎ込めばずっと良くなるのにっていうかんじくらい健康面に・・・。


佐伯
僕なんかね、甲斐さんとお話ししでて、健康についてウルサイんですよ。
たとえば朝早く起きて、とかいうことを嬉々として僕に言うわけですよ。
そういうところありますか。


Dr.Y
要するにさ、あの方っていうのはですね、万年時差ボケなんですよ。


佐伯
ほお。


Dr.Y
多分ね。
36時間サークルぐらいで・・・サークルじゃねえな。


佐伯
サイクル。


Dr.Y
36時間スパン。


佐伯
スパン。


Dr.Y
で、生きてるんですよ、多分。


佐伯
ほぉ。


Dr.Y
だからあの・・・みんながみんな、ちゃんと寝なくちゃいけないっていう時間とか、そういうの無視してますね。


佐伯
ということは、真夜中に起き出すっていうときもあるわけですか?


Dr.Y
そうそうそうそう。
だから、食事してすぐは寝ませんから。
あの方は一応2時間空けて。


佐伯
ま、一応肝臓休めて、みたいな。


Dr.Y
ええ、それで体重増えないように。


佐伯
ああ(笑)


Dr.Y
なにが「ああ」だ、お前そこ。
いや、すいません(笑)


佐伯
(笑)


Dr.Y
ホームドクターってこと忘れてました。


佐伯
ホームドクターですからね(笑)そのドクターの医院のつくりはどうなってるんですか?


Dr.Y
つくり(笑)


佐伯
路地なわけでしょ?


Dr.Y
ええ、住宅街なもんで、ちょっとこう、みなさんが入りやすいように塀とかつくらないで、ちょっと低めの垣根風で、でも待合室がちよと外から見えやすいんですよ。


佐伯
つかぬことをお伺いしますか、ドクターは専門は何科ですか?


Dr.Y
えーと、あの一応3つくらい。


佐伯
3つ。


Dr.Y
ええ。


佐伯
町医者ですからね。


Dr.Y
内科、小児科、耳鼻咽喉科。


佐伯
耳鼻咽喉、はぁ・・・。


Dr.Y
外科にいかないところが、かわいいでしょ?


佐伯
そうですね、ああ、レントケン科とかね。


Dr.Y
そうそうそうそう。


佐伯
・・・そんな町医者いねーよ。


Dr.Y
それ、やめ、その握り拳いちいち(笑)大体あの人わりとせっかちですから。
佐伯
はい。


Dr.Y
なんで言うんですかね、レントゲンするのにもですね、ちょっとこう両手かけてとか言われてかけるじゃないですか。
それでたいていレシトゲ〉技師っていうのはナゼか走って部屋に戻るんですよ。
佐伯
ああ、そうですね。


Dr.Y
あれは患者が、動く前に戻るためかと僕思ってたんですよ。
そしたらあれは、毎日毎日そーゆことやってレントゲン浴びるのがこわいんですね。
だから走って戻るんですよ。


佐伯
X線が・・・。


Dr.Y
そんな危ないところで、そんなことさすなって思うんですけど。


佐伯
(笑)


Dr.Y
1日、20人ぐらいやるんでやっぱりその浴びる量としたらスゴイじゃないですか、それで走って戻るらしいんですよ。


佐伯
はあ。


Dr.Y
それで僕も一緒に走ってついていったことあったんですよ。


佐伯
(笑)(会場笑)


Dr.Y
これは全然ジョーダンききませんでした。
マジで怒られましたよ、それ。


佐伯
(笑)もー、ドクターは医師としての意見を離れてるんですけど、その話し。


Dr.Y
すいません(笑)あの方の話しでしたね。


佐伯
あの人の。


Dr.Y
ええ。


佐伯
今、僕って言ったじゃないですか、あなた。


Dr.Y
ちょっと今ビリーミリガンみたいなの入ってましたね。


佐伯
あー、なるほどね。
そーゆうこぢんまりとしたお医者さんなわけですね。


Dr.Y
そうですね。
それであの人はせっかちというか診察台にずっと長くとか、いやなんで。
まず電話をいきなりジリリーンとかけて、で「もしもし」。
一応敬語は使いますから、体育会系ですから。
敬語はうまいんですね、かなり。


佐伯
ほぉ。
で、低姿勢なふりはよくします。


佐伯
ほぉーなるほど、一見ね。


Dr.Y
でもそこで信じちゃいけません。


佐伯
ああ・・・(会場笑)なるほどね。


Dr.Y
腹わた煮えくり返ってたり、一物もってたりしますからね、あの人。
それから一応敬語でこう「先生」とか言ってかけてきて、一応事前に電話で用件をふって、要するに「オレが入ってきた途端にすぐ診察しろよ」と言わんばかりのですね。


佐伯
態勢を整えておくと。


Dr.Y
そうそう、インプットを先にさせといてですね。


佐伯
分かりますね、その段取りの細かさが。


Dr.Y
で、当然のようにそこに電話をかける時間帯は、お客さんがほとんどいなさそうな時間帯を狙って電話をかけてくるんですね。
しかも病院に着く15〜20分ぐらい前。


佐伯
なるほどそういう、まあ行ってもいいかと。


Dr.Y
♪イエイイエイイエイベイビー♪ってノーノーボーイですね(笑)知らないだろう。


佐伯
(笑)


Dr.Y
スパイダース。


佐伯
こけてます。


Dr.Y
(笑)ドクターからこけちゃいけませんね。


佐伯
ねえ、やっぱりホームドクターですから。


Dr.Y
これダテメガネ用意しろって言ったら、実は少し薄く度が入っているみたいでものすごく疲れますね、自分の度にあっていないメガネって。


佐伯
あの方はあれですよね、サンクラスとかいつもしてますけど、目お悪いんですか?


Dr.Y
あの方はですね、眼球的には丈夫なんですけど。


佐伯
おお(笑)


Dr.Y
目、悪いかっていうから(笑)眼球とかまぶたは丈夫です。


佐伯
頑(眼)健なわけですね。


Dr.Y
そうです、そうです。


佐伯
ええ。


Dr.Y
で、あのーちょっと下がりなんです、あの人。
よく小さい頃目に入って痛い痛いって言ってましたけど。


佐伯
逆さ睫みたいになってね。
そうですね。
基本的に視力がちょっと悪いかなっていう。


佐伯
ああ、よくインタビューとかするときに必ずサングラスかけてますんで。


Dr.Y
そうですね。


佐伯
人を威嚇したりする意味合いもあるんですか。


Dr.Y
若い頃はそれ十分にあったと思いますねえ、ええ。


佐伯
ハハハ(会場笑)


Dr.Y
で、あの一手っ取り早いじゃないですか。


佐伯
ええ。


Dr.Y
で、俺が、俺じゃなかった(笑)


佐伯
あははは(会場笑)


Dr.Y
人と付き合う場合ですね、あの、初対面の場合、念入りに説明するか、最初からバンど仕切り線を。


佐伯
張るか。


Dr.Y
物差しを尺度を図って言うしかもうないんで。
大体、そう割とはっきりしたタイプですね、あの方は。


佐伯
はあ、じゃその対処の仕方が2つ大きくあってどんな人にもその、工ヴリバディ力モン力モンって、色々話すってわけではないんですね。


Dr.Y
そう、大体、会って15秒くらいで分かるらしいですよ。
人となりが。


佐伯
はあ。


Dr.Y
で、その場合の区分けの仕方が敵か味方かしかないことが残念なんですけどね(会場笑)


佐伯
あははは、単純ですよね。


Dr.Y
単純です。


佐伯
その辺の、こう、境界線は。


Dr.Y
そうですね。


佐伯
僕なんかは最初にあの人とお会いした時にですね、クエスチョンを切り出してですね、アンサーが返ってくるまでに1分くらいはありましたよ。
沈黙があるんですよ。


Dr.Y
ああ、ああ、ああ。


佐伯
えらく威圧的でしたね(会場笑)


Dr.Y
それはお腹の具合が悪かったんじゃないですかね、違いますかね。


佐伯
わかんなかったんですけど。
だからこの人、人見知りするのかな、と。


Dr.Y
ああ、人見知りっていうか、照れ隠しっていうか。


佐伯
はあー。


Dr.Y
そういう感じがある。
照れっぽいケース、あんまり見られてませんけど。


佐伯
ああ。


Dr.Y
あとあれですね。
ス口一スターターですね、意外と。


佐伯
ああ、なるほど。


Dr.Y
物事なんでも。


佐伯
ふーん。


Dr.Y
昔あの方がやってたNHK−FMの番組・サウンドストリートの。


佐伯
ああ、ありましたね。


Dr.Y
最初の3分位ボロボ口ですからね(会場笑)ただ、勢いだけでやってるっていう・・・その日の体調をつかむ・・・。
つかみたいというのが非常にあるんでけっこうもう、ボロボロでもいいんだよね、みたいな感じはちょっとありますかね。


佐伯
ああ・・・。


Dr.Y
うん。


佐伯
スロースターターね。


Dr.Y
そうですね。


佐伯
で、年を重ねるごとに人見知りの部分とかあんまり境界線を引くとかっていうことはなくなってきてるんですかね。


Dr.Y
そうそうそう。
で、実際好き嫌いどうのっていうことの中にも、もう少し中間的色合いが入ってきてたりなんかもしてるみたいで。


佐伯
ああ。


Dr.Y
その中間色にあんまり、なれてないんで時々騙されてますね、その部分に。


佐伯
具体的に言うと?(笑)


Dr.Y
すんごく難しいんですよね今の。


佐伯
難しいですね。


Dr.Y
いいんです、わかんなくて。


佐伯
あ、そう。
中間色がよくわかんないんですけどね。


Dr.Y
白と黒の間。


佐伯
うん。
それで中間色がはいることによって人付き合いが広くなる。


Dr.Y
でも人間っていうのはワビとかサビっていうとちょっと中間の方がいいじゃないですか。


佐伯
うん。


Dr.Y
中間の部分でこうギリギリ・・・なんかそれに向かっていくと、ワヒサヒとか出来ますよね。


佐伯
ええ。。


Dr.Y
だからまあ・・・人間ね、勉強だっていうことですよ。


佐伯
(笑)


Dr.Y
簡単に、括ってしまいましたけど。


佐伯
括りましたね。
ドクターから見て、あの人の現在のコンディションみたいなものはどうでしょうね。
あの一体はやわらかいですから。


Dr.Y
ああ。
とにかく、体はやわらかいですね。


佐伯
何かやってるんですかね、酢をいっぱい飲んでるとか。


Dr.Y
(笑)(会場笑)いいですね、ありがとうございます。
おいしいな。
でも、あれ嘘らしいですよ。


佐伯
そうですか。


Dr.Y
酢飲んでもやわらかくならないらしいですよ。


佐伯
どうして?


Dr.Y
本当に。


佐伯
やってみたんですか?


Dr.Y
よくサーカスに行きたいんだったら酢を飲んだほうがいいとか、昔小さいときあったじゃないですか。


佐伯
ありました、ありました。


Dr.Y
あれは実は嘘らしいですよ。


佐伯
へぇー。


Dr.Y
まあいいんですけどね。


佐伯
あの方の体のやわらかさはどのへんからきてるんですか。


Dr.Y
いつもストレッチをちゃんとやって。


佐伯
へぇ。


Dr.Y
でもこの間診察台のせて体の向きとか色々やってたらですね、私整体もちょっとここあれなんで。


佐伯
先生色々やりますね。


Dr.Y
ちょっとこうひねってみてごらん、みたいな感じで。
そしたら座骨のとこ痛めましたね。


佐伯
はあー。


Dr.Y
これ本当の話なんですけど(会場笑)


佐伯
(笑)


Dr.Y
変な風にひねっちゃたんですね。


佐伯
じゃ先生カイ口プラクティックみたいなこともなさると。


Dr.Y
そうですね。


佐伯
あの方の座骨を。


Dr.Y
なんていうか町内では一番の町医者なんですけどもやっぱりあの地域住民との接点を濃厚にしないとダメなんで。
でも町内では一番ですよ。


佐伯
あ、そうですか。


Dr.Y
ええ。


佐伯
信頼が高いと。


Dr.Y
白金台ですから。


佐伯
それであのドクターがあの方と付き合って面白いところはどこらへんですかね?昔ね僕あの方とインタピューして「甲斐さん何がお好きですか」と言ったら「たき火が好きだ」って言われたことあるんですよ。
私目が点になりまして「はあ・・・たき火ですか」と言 ったままね。


Dr.Y
一時ちょっと一人で住んだ時期がありまして。


佐伯
はあ(会場笑)


Dr.Y
あまり深い話しは・・・あのセンチュリーハイアットをですね8ケ月借りてたりしてたんですよ。
できたばっかりの頃。


佐伯
ええ。


Dr.Y
そのあと一軒家に。


佐伯
いったんですね。


Dr.Y
ええ。


佐伯
なんか身の上話しみたいに。


Dr.Y
その時ちょっと、裏のほうにいい庭はあったらしいんですよ。
で、近所にいい果物屋さんとか八百屋さんとか見つけて、ちょうどいい箱があるじやないですか、木箱。


佐伯
ええ。


Dr.Y
木箱に落ち葉なんかをいれて、ハマッてたみたいですね。


佐伯
はあー。


Dr.Y
ついでだから、銀紙にイモ入れて焼芋したりとか。


佐伯
はあ。


Dr.Y
うん。


佐伯
そういう幼い頃の光景とかあるんですかね、あの方は。


Dr.Y
いや、あの人はあれですから。
生まれたときアスファルトジャングルみたいな所で、あの福岡のド真ん中なんですよ。


佐伯
ええ。


Dr.Y
まあ福岡のド真ん中っていっても、東京から見たら田舎ですけど。


佐伯
(笑)


Dr.Y
一応コンクリートなんです。
アスファルトなんですよ、生まれたところ。
ヨチヨチ歩きする最初は、そういうど真ん中なんですけど、商売やってた関係で春夏冬預けられてたんですね。
あのスタンドバイミーみたいなところに。


佐伯
(笑)


Dr.Y
とんでもないところなんですからそこ。
だってイカダ自分たちで作ってずっと1キ口ぐらいおりていくんですよ、ホントに。


佐伯
そんなカントリーサイドな。


Dr.Y
それを又、自力で元の場所までひきずって歩いていくという・・・"何やってんだろお前ら"みたいな(笑)


佐伯
フーン。


Dr.Y
そういう所の体験をなんか呼び起こすんでしょうね。


佐伯
なんとなくね、あるんでしようね。


Dr.Y
とにかくあの人は東芝に戻ってこれて、すごく喜んではいるんですよ本当に。


佐伯
中曽根さんも喜んでるらしいですよ。


Dr.Y
中曽根さんね!中曽根さん、今上からナンバー2みたいな雰囲気で。
あの単なる最初のアルバムのディレクターですからあの人。


佐伯
それで。


Dr.Y
それでかなり喜んでるんですけどただ、なんていうか戻ってきたっていう意識だとね。
ちょっといろんな意味で失礼なんでやっぱり、その辺はかなり居直って東芝どうのということよりも、気持ち良くやれるとこだったらどこでもやるぞというようなね、緊張感のある、いい意味でっていう感じで。
だから逆に東芝に戻ったというよりも選んだんだというです。


佐伯
前向きな。


Dr.Y
ええ前向きな。


佐伯
戻ったっていう意識はなく。


Dr.Y
そうですね。
現場はそういう、許されないでしようねきっと。


佐伯
ああ。


Dr.Y
ええ、一応知り合いいっぱいいるんですけど。
今課長ぐらいになっている奴は全部新米のときから知ってますから。


佐伯
(笑)


Dr.Y
それがなんなんたって言われると何もないんですけど。


佐伯
それだから強く言えるってところもありますよね。


Dr.Y
そんなことないですよ(会場笑)いやいや違う。
ここだけの話しですけどそのスイッチちょっと押すと、別の意味の威嚇になるんですよ。


佐伯
アハハハハハハ、なるほどね。


Dr.Y
だからまずいですよ。
逆に、僕そういう人に穏便にしてますけど。
そうして穏便に笑うと余計それか気持ち悪いらしいんですよね。


佐伯
アハハハハ


Dr.Y
別の意味で威嚇になってるらしいですよ。
難しいなあと・・・あ、僕っていっちゃいけませんね。


佐伯
そうそうそう、もうずいぶん前から「僕」って言ってます。


Dr.Y
そうです、そうです、そうです。
オイオイ。
やっぱりあれですね、同じポジションに戻ってきても更に上を目指すんだという意味でですね。
マイケル・ジョーダンの「I'm Back」でしょ、やっぱ。


佐伯
「I'm Back」。


Dr.Y
うんやっぱりね、野球からもう一度バスケに戻ったほうが楽だろうというバカなマスコミがいっぱいいましたけど、そういうとこじゃないですからね。
さっき事前の打ち合わせのとき、佐伯さんもおっしゃってましたけど。


佐伯
なんでしよう?


Dr.Y
バンド、ソ口、バンド、ソ口というのを掛2回ずつやった・・・。


佐伯
×2ですからね。


Dr.Y
というのはいないだろうという。


佐伯
普通、バンドからソ口になりました。
そのままいきます、みたいなのはありますけどね。


Dr.Y
それは何かすごくかっこよくも聞こえますけど、小器用な奴だという。
単に1番から9番までのうちの一応全部1回ずつ打ったことがあるぞとかですね。あとあの。


佐伯
守備位置。


Dr.Y
守備位置。
キャッチャー以外全部守ったことあるぞみたいな人いますよね。
たいてい2流選手ですよね。


佐伯
(笑)(会場笑)


Dr.Y
一流にいません。
そういう人は。


佐伯
いやでも、昔いたみたいですよ。


Dr.Y
そうですか?


佐伯
西鉄ライオンズ時代とかね、戦前はいたらしいですよ。


Dr.Y
3割30本30盗塁とかいう感じでホントはいきたかったんですけどね(会場笑)


佐伯
ああ。


Dr.Y
うん、難しいですね・・・と本人は言ってました(会場笑)
今僕の感想じゃないですから。


佐伯
あ、そうですか。


Dr.Y
ええ、このままずっとしゃべってたら楽ですね、新曲もあるんで、どーも歌詞忘れそうなんでこのまま疲れるとすごくまずいらしいですよ。


佐伯
あ、そうですか。


Dr.Y
何か注文あったら今僕きつくいっときますけど。


佐伯
注文はですね一注文は何かなあ・・・。


Dr.Y
あの人は体やわらかいですけどね。


佐伯
ええ・・・(会場笑)でもあんまりステージじゃそういう体のやわらかさを見せるとこはないんで。


Dr.Y
そうですね、それ可笑しいですね(会場笑)何かいきなりドラムとヴォーカルのパートだけになってギターとベースが楽器を置いて急にバーみたいなのを持ってきて、リンボーダンス状態になったら可笑しいですよね。
ドンドコドンドコとかいって・・・(笑)


佐伯
そしたら体のやわらかさ見せられますよね。


Dr.Y
見せられますよね。


佐伯
普段のステージの中で体のやわらかさを見せるの大変でしよう。


Dr.Y
でもやっぱりここで新たなスタートをきるわけですから(会場笑)大至急その新味をですね。


佐伯
昔欽ちゃんがやってたみたいにピョコーンと飛び上がるとか欽ちゃん走りするとかじゃない限りは体のやわらかさを見せられないですよね。


Dr.Y
新機軸を打ち出していただきたいと。
バク転できれば体がやわらかいかっていうと。
いうわけじゃないですからね。


佐伯
うん、何かこうモヤモヤして・・・どういうのがいいのかなと思いながら。


Dr.Y
ええ、もう注文あったら僕いっときますから。
やっぱりあれですかね、世の中は好き嫌いだけじゃないんだと。


佐伯
乗り切れないと。


Dr.Y
乗り切れないぞと。
あとサウンド的な注文は何かあリますか?


佐伯
今ソ口になってサウンドの感覚としてはバンドっていう感覚なんですかね?


Dr.Y
あのですね、あのどうも今年の1月に武道館やってあと同じパワステで4月、5月、6月ロッキュメントっていうのやってたんですけど一応自分の過去の部分っていうのを、変えていった部分っていうのを総ざらいしちゃったんで。
どうもバンドとかソ口とかいう意識はかなりなくなってて。


佐伯
ああ。


Dr.Y
あの音楽作る上での話しですけど。


佐伯
ええ。


Dr.Y
だからそういう、境地に達してたとかそういうんじゃなくてですね、わりととつばらったところでやろうかなという感じがあるんですけど、僕。


佐伯
じゃああんまりその境界線・・・僕?僕?(笑)


Dr.Y
今わざと知ってて使いましたね。


佐伯
ええ、おいしいですよね「僕」。


Dr.Y
おいしいですよ。


佐伯
境界線引かずにやると。


Dr.Y
そうですね。


佐伯
実際ね、バンドからソ口へっていうの×2やっているっていうたぐいまれな方ですからね、あの方は。


Dr.Y
とにかくそのへんピシッとやるよと。


佐伯
よろしくお願いします。


Dr.Y
はい、どうも。


佐伯
と、いうわけで甲斐よしひろを熟知しているドクターY先生に来ていただきましたけど、先程甲斐さんと話しをしてましてドクターYっでいうのどうかなあっていう話しか出てきた時は、甲斐よしひろというキャラクターかどういう所から出てくるのかなあっていう意味合いを知りたかったんですけど、やっぱり内視鏡で甲斐よしひろをみるように話すというテーマ設定でドクターYという人物を作ったのであります。
やはりその甲斐さんならではの「キャリアを積んでいくんだけれどもキャリアの中に純情さを忘れない」でいうかそのピュアなところも持っていきつつ、なんて言うのかな新しい活動をしていくという、その辺が甲斐さんの現在形というか、持ち味ではないかと思います。
そろそろライヴの仕度はできましたでしようかね。
こういう形でいつもはライブを楽しむというそれだけのステージだと思うんですけども、今回はコンベンションということで。
僕昔甲斐さんと「Mのラジオをやったことがあって、まあ1時間の番組で曲とかを抜いて喋りの部分は30分 ぐらいだけでいい・・・だけでいいって可笑しいですけど、30分盛り上がってそれでその曲を入れて1時間のパッケージの番組にするというそういう「Mの番組をやったことがあるんですけど、その時に盛り上かって2時間ぐらいしゃべってしまいましてディレクターから「おまえらもうしゃべんなくていい」って言われたという、そういう体験がありまして。
なんとなく甲斐さんと話しをすると、最初はすごくスクエアな音楽の談義とか、真面目な話しなんですけど、どんどんどんどんそれていって、気がついて見ると漫才みたいになっているという・・・そういう話ししててもね、二面性のある人ですけども。
そんな感じで甲斐さんの新しいスタートを祝いつつ現在のライフを楽しんでいただけたらと思います。

BAND


Vocal
KAI YOSHIHIRO

Guitar
GEORGE KAMATA

Bass
MOTOFUMI "MECKEN" OGIWARA

Drums
IKKOU TANAKA

Key Boad
YOUGO KOUNO