Paul Stanley/Gene Simmons/Ace Frehley/Peter Criss
Ladies In Waiting:Simmons(Guitar)/C'mon And Love Me:Stanley(Guitar solo)
Produced by NEIL BOGART and KISS
Recorded at Electric Lady Studios, NYC, NY
Casablanca/Warner Bros. NBLP-7016
Released: 1975/3/19
RIAA:●1977/02/28
Kob's Recommended:★★★
[Notes]
アルバムも2枚リリースしてステージも各方面で評判を呼びつつ一向にアルバムセールスに結びつかず、それでもここで絶やすワケにはいかないと矢継ぎ早にリリースさせたアルバム。
当然、ツアー中にそれ程楽曲がストック出来るハズもなく、このアルバムにはKISSの前身バンドであった、Wicked Lesterの持ち歌であった"SHE"や"LOVE HER ALL I CAN"など急場しのぎ的な選曲も苦労が忍ばれる。
"SHE"はWicked Lester時代のテイク(唯一リリースしたアルバムWICKED LESTERに収録)ではフルートもフューチャされたもので、歌も3部構成のファルセットの入るゴテゴテしたものだったが、KISSとして生まれ変わったテイクはストレートなものになった。これは正解だろう。
この様に過去の楽曲を引っ張り出してまでアルバム製作に駆りたてるパワーの源は何か?私財を投げながらも投資するレコード会社のニール・ボガードの思いだったのではないか?・・・。
自分が起こしたレーベル、カサブランカの第一弾契約アーチストにKISSを選び、その運命を賭けた事への執着なのだろうが並大抵のことではないと思う。
日本ではこのアルバムがデビューアルバムとなるが、リリースは1976年であるので現実的には次作になる"ALIVE!"の評判に裏打ちされてようやくリリースという段になったものと思われる。
セカンドアルバムに自ら書かれた邦題「地獄のさけび」というコピーからインスパイアしたのか、このアルバムには「地獄への接吻」というタイトルが付けられている。
KISS=接吻だから、安易と言えばそのまんまだが、本作が日本でのデビューアルバムになっていることからでも、なかなかキャッチーな邦題じゃないかなと思う。
このようにビクターはこの後、名(迷)作なタイトルやコピーが目白押しになるのである。
"C'MON AND LOVE ME"の邦題は「激しい愛を」であるが、当時アイドルであった西城秀樹のシングルも「激しい愛」であった。
ラジオ局ではこのあたりが混同されミスプレイする事があったのか定かではないが、そういう狙い迄していそうな気配が何とも面白い。
何かファンに訴えるものを・・・アンセムを・・・そこで生まれたキャッチーなナンバーが、"ROCK AND ROLL ALL NITE"である。
一晩中ロック!!単純明快な歌にリズム・・シンプルさゆえに耳に親しみ、ニールの想いはここに形になって出来上がったのだ。
しかしそれでもアルバムリリースは爆発的に売れるというものではなかった・・・が、しかし動きが出てきた。
デトロイトを中心としてKISSを支持するファンが増えていったのだ・・・KISSはステージをデトロイトで行うことに決め、その成功を決定付けることが叶うことになる。
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