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ROCK AND ROLL OVER

ROCK AND ROLL OVER
  1. I WANT YOU (3'02")[Stanley]
  2. TAKE ME (2'53")[Stanley/Delaney]
  3. CALLING DR. LOVE (3'41")[Simmons]
  4. LADIES ROOM (3'25")[Simmons]
  5. BABY DRIVER (3'39")[Criss/Penridge]
  6. LOVE'EM AND LEAVE'EM (3'41")[Simmons]
  7. MR. SPEED (3'19")[Stanley/Delaney]
  8. SEE YOU IN YOUR DREAMS (2'31")[Simmons]
  9. HARD LUCK WOMAN (3'32")[Stanley]
  10. MAKIN' LOVE (3'12")[Stanley/Delaney]


KISS  Paul Stanley/Gene Simmons/Ace Frehley/Peter Criss
See You In Your Dreams:Simmons(Rhythm Guitar)/I Want You:Stanley(Lead Guitar)/Ladies Room:Simmons(Guitar)/Hard Luck Woman:Stanley(Acoustic 12 strings Guitar)
Produced by EDDIE KRAMER
Recorded at Record Plant Studios, NYC, NY and Star Theater,Naunet, NY
Casablanca/Warner Bros. NBLP-7037
Released: 1976/11/11    RIAA:1976/11/11  1977/1/5

Kob's Recommended:★★★★★

[Notes]
このアルバムは中学時代にリアルタイムに買った初めてのKISSアルバムであり、洋楽LPレコードを自分で初めて買ったアルバムでもあった。
それだけに自分のKISS史上中でも最も印象強いアルバムでもあり、聞き込んだアルバムでもあった。
世はまさにKISS初来日に沸く状況で洋楽をかける番組では頻繁に"HARD LUCK WOMAN"が流れ、これまでのKISSのイメージから離れたこの曲のお陰もあってKISSの名は意外な程ティーンエイジャーを中心として知られていく事になる。
自分が来日を知った頃には既にチケットは売り切れ、新聞記事のわずかな「チケット売ります」の記事に藁をもすがる思いで電話をしても無碍に断られる始末で、来日公演を生で見ることは叶わなかった。
その分、ぎんざNOWなどの洋楽のクリップを流す番組でこの"HARD LUCK WOMAN"と "I WANT YOU"、"LOVE'EM AND LEAVE'EM"の3曲のプロモはかなりの回数オンエアされ、目に見る初めて動くKISSに触れ余計に彼らに思いを馳せる日が続いた。
噴き上げる炎で音が聞こえないとか、ポールが炎に隠れちゃうだとか・・・想像でしかなかったKISSの姿を、実際に動くそのステージ映像を見ることが出来て次第に自分の中のKISS像が確固たる形を作り上げていくように、このアルバムを絶えず聞いていたのだ。
前作"DESTROYER"では聞きやすい、自分の年代でも判り易いロックで馴染んでいただけに、さらにストレートなKISSの音はKISSにどんどん熱中させるには充分なサウンドだった。
自分の中でもこのアルバムにはあまり捨て曲がなく、唯一挙げるとすれば"BABY DRIVER"だったのだが、それすらも勢いで聞き倒していた。
ギターを買ったのもこの頃で、スコアを眺めながら"HARD LUCK WOMAN"を弾くと、弦の上を滑る指が出すスクラッチ音がKISSと同じタイミングで聞こえるのが妙に嬉しくてギターを弾く楽しさを教えてくれたのも、このアルバムだった。
そして来日!!日本はエアロに続く旬なアーチストの来日に沸きかえった。そして何とNHKがKISSの武道館公演を放送するという思いもよらない、夢にさえ見ないニュースが飛び込んでくる事になる。
それが今でも伝説のように語り継がれる「ヤング・ミュージック・ショー」なわけだ。
惜しくも来日公演に行く事の出来なかったファンや、夕方たまたまTVのチャンネルを合わせて見入ってしまった者も、このショーに見入った。
厳選された9曲はKISSのショーをコンパクトにその衝撃を茶の間に伝え、結果前例のない再放送へと続いていく程の熱狂を得ることになる。
こうしてアルバムとこうしたビジュアルの二つの切り口で我々を魅了していった象徴的な時代のアルバムが、この"ROCK AND ROLL OVER"という事になる。

またこのアルバムはギター弾きにとっては面倒なアルバムでKISSは元来チューニングは半音落としなのだけれど、尽くチューニングが微妙にズレている。
だから皆が半音きっちり落としてもしっかりコピーしたポジションもどれも合わないような現象になる。(^_^;;;
このように自分にとって色々な印象と体験をさせてくれたアルバム(発売時のエピソード)であるが、肝心のサウンドで言うと当時の帯に書いてあったポールの言葉を借りれば「やりたいのはストレートなロックンロール、ただそれだけ」なのである、まさにストレート。
"DESTROYER"がBob Ezrinによるある意味オーバープロデュースな面はここでは抑えられ、本来持つKISSの痛快なロックンロールをEddie Cramerが上手く引き出している。
全ての曲のトータル性で「良いアルバム」かどうかは個々の判断と趣味によるのだが、少なくてもワタシの趣味・嗜好にはピッタリだった。
意外と思われるかもしれないが、このアルバムで好きだ!とあげる曲は"Mr. Speed"になる。
無論、他の曲もどれも好きなのだが、なぜかこの曲をあえて自分の好きな曲に挙げてしまう。
皆さんのナンバーワンはどの曲になりますか?

[More infomation]

地獄のロックファイヤー
  1. いかすぜあの娘
  2. 燃える欲望
  3. 悪魔のドクター・ラヴ
  4. 熱きレディース・ルーム
  5. 激烈!ベイビー・ドライバー
  6. 愛の絶叫
  7. 情念!ミスタースピード
  8. 悪夢の出来事
  9. ハードラック・ウーマン
  10. 果てしなきロック・ファイヤー
Promotion Video

I WANT YOU
LOVE'EM AND EAVE'EM
HARD LUCK WOMAN



中ジャケ
Inner Jacket このアルバムもダブルジャケット仕様で、Destroyer Tour時のステージ写真が使われている。
コミック然としたジャケットとは異なり、ステージ上での実際の彼らの姿を見れることは嬉しい思いがしたものだ。
この彼らがあともう少しでこの日本にやってくる・・・そんな状況下でますます魅了されていった。


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