Paul Stanley/Gene Simmons/Ace Frehley/Eric Carr
Musicians : Vincent Cusano,Bob Kulick,Robben Ford,Adam Mitchell,Steve Ferris
Produced by MICHAEL JAMES JACKSON
Recorded at The Record Plant, Los Angeles, CA
Casablanca NBLP-7270
Released: 1982/10/13
RIAA:●1994/05/09
Kob's Recommended:★★★☆
[Notes]
久しぶりに見るKISSのメイク写真によるジャケットも鮮烈なスタジオアルバム。
今までにないハードな予感をさせるジャケットに偽りなく、のっけからハードなアルバムタイトル・チューンで始まる。
「いよいよ、KISSも目を覚ましたか」と当時思ったものだった・・・がそのサウンドはかねてからのKISSサウンドとはまた違う異質な光を帯びていた。
そう「メタル」の匂いがするのである、まぁバリバリな鋼鉄音楽というものではないかもしれない、でもそれに初めて触れたときはそう捉えていた。
だから何だか変わって行ってしまうKISSに一抹の寂しさを感じつつも、だんだん心はなれて行く時期だったかもしれない。
このアルバムをKISSへの入り口にしている方は多いと思うし、現にそういう友人を知っている。
ジャケットこそはまだその存在を・・・またMTV全盛のこの時代にKISSもKISSなりのビデオを作っていた、その中で確かにAceは居たのだ・・・。
でも、中間のソロはPaulが弾いている・・・うーん、違和感。
案の定Ace脱退のニュースも併せ持って運んできたアルバムだった。
サウンドのハナシにちょっと戻そう。
このアルバムは良くも悪くもVincent Cusanoに掛かっているように思う、そう後のVinnie Vincentである。
彼のソングライティングはKISSの外部コンポーザとして、KISSに新しい息吹を吹き込んでいる。
しかし当時の若い耳でかつてのKISSサウンドを懐かしんでいた自分は耳に馴染むのは時間がかかるアルバムとなった。
せっかくのアルバムリリースだったのだけど、喜んでいいのか、この路線に足を踏み入れてしまたKISSに拍手を送りたい気持ち(時代に乗り遅れない為にも)、以前の軽くてもKISSらしさのあった時代の音に戻りたい(戻って欲しい)という色々な思いの交錯。
結論は出せないまま時は過ぎ、アルバムを通して聞く気になったのは近年のコトというのは、一応白状しておこうと思う・・・。
このアルバムの中で自分なりのベストチューンは"DANGER"で、安心してKISSな音として楽しめる要素を持った曲になっている。(これは当時からお気に入り、でもレコード時代でこの曲の為だけに盤を取り出してプレーヤにかけることはしなかったんだよ)
Aceが抜けKISSはリードギタリストの席を不動のものとして行く事が難しくなっていく。
次作では正式にVinnie Vincentがクレジットされるも、わずか一作で離脱、後任にMark St. Johnが加入するもツアー途中で難病にかかりこれまた離脱。
危ういパートになってしまったところに落ち着いたのはBruce Kulickで、そのBruce時代にジャケットを差し替えリミックスを施し、曲順を換えたバージョンがリリースされた。(ジャケ写真下)
何がどう変わったのか・・あまり興味深く聞いていないんで判らない(判ろうともしてないか?)ので判断つかないのだが、US.Remasterの発売時はオリジナルの曲順とジャケットデザインのものがリリースされた。(写真は何ともピンボケ気味のもので一見Bootぽく見えてしまいかねない出来、裏はレザーパンツのどアップとコンセプトも微塵に感じさせないデザイン)
[More infomation]
暗黒の神話
- 真夜中の使者
- セイント・アンド・シナー
- キープ・ミー・カミン
- 地獄のロックン・ロール
- デインジャー
- 勇士の叫び
- 遥かなる誓い
- キラー
- ウォー・マシーン
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Promotion Video
I LOVE IT LOUD
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VINCENT CUSANO(VINNIE VINCENT)
1952年8月6日生まれ。
エドガー・ウィンターのツアーに参加するなどの活動の他、アダム・ミッチェルらとの共作活動などもあり、"TEARS"はジョン・ウェイトのヒット曲となる。(この曲はPeterのKISS脱退後ソロ2作目にあたる"LET ME ROCK YOU"にも収録された)。その後、本作で事実上脱退状態にあったAceの代役でアルバムに参加するも、GeneとPaulはAceに代わるギタリストのオーディションを続け正式メンバーになるのは先の話となる。br>
結局、メイクを施し正式にKISSの二代目リード・ギタリストとなり、KISSの結成10周年ツアーにも参加。
Aceのプレイとは異なるアグレッシヴなプレイでKISSに新しい風を呼び起こす事になるが、ステージプレイはAce風にKISS風に・・という決まりはあったようだ。(そんな風には思えない程弾きまくっている感じもするが・・)正式にメンバーとしてクレジットされるのは次作"LICK IT UP"だけとなる。
作品作りにおいては評価の高いVinnieではあるが、オフステージでの色々な話からKISSファンからもちょっと離れたメンバーという印象がある。
Vinnie Vincent Web_Site]
Robben Ford
ブルースを得意とするフュージョン系の自人ギタリスト。
1970年代後半のフュージョン・ブームの中、イエロージャケッツを結成して活躍。
バンドを離れた後、マイルス・デイビス・バンドに加入したことも話題を呼んだ。
1992年にルーツのブルースに戻った白己の二ュー・バンド、Robben Ford & The Blue Line を結成した。
白人のブルース・ギターを代表するアーティストで、ロック色の強いその演奏には風格さえ出ている。
Robben Ford Web_Site]
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