このファンクラブあっての今の自分がいる
Fun Club Logo

1978年、再来日をもうすぐに控えた頃、当時あったビクター公認のKISSファンクラブに入会しました。
そう会長は現在でもライナーノーツやKISS関連の雑誌などでお見かけする「青柳つとむ氏」でした。
独自の翻訳解説やブート紹介、インストルメンツ解説など多岐に渡り情報を広げてくれ、時折フィルムコンサートを開催してくれたり、例の映画を日本公開させる為に署名運動をしたとか・・様々な事が思い出されます。
ここではそのファンクラブで発行していた会報誌「C'MON」の表紙を当時を懐かしく語りたいと思います。
(このページを起こした時にしばらくして当時のスタッフからメールを頂きました。苦労されていた話も聞けて余計に懐かしくなったりして・・嬉しかったです。)


   C'MON Vol.11-May-1977
C'mon Vol.11来日記念号 初来日の記念号で空港でのショットが表紙。
大阪万博会場で行われたリハーサルの模様をビクターの担当者から聞いてレポートしている。
まさに雑誌では読めない会報ならではの内容。
当然コンサートレポートも8ページに渡って紹介されており、実際には見に行けなかったライヴの模様もNHKで放送した「ヤングミュージック・ショー」の映像とレポートを合わせ読む事で見たかのような錯覚を起こしたものです。
ぎんざNOWなどの情報番組やFM音楽チャート番組などで一部放送された赤坂ヒルトンホテルで行われた記者会見の模様もつぶさに読むことが出来る。
(その一部を編集したものはここでリアル・オーディオ形式のファイルで聞く事が出来ます。)
この号で大好きだった"KISS INSTRUMENTS"の記念すべき第1回がスタートしており、この回は来日公演のステージについて触れられている。
今、よく読んで見ればこの号には "Detroit Rock City"の冒頭のSEでのニュース原文とスタッフが訳した訳文が掲載されていました・・・(^_^;;
この辺は皆さんも興味あるでしょうから抜粋して掲載する事にしましょう。
内容はDetroit Rock City Newsです
 
   C'MON Vol.12-July-1977
C'mon Vol.12 この号が発行された頃、事務所が渋谷のとある場所にある「ファイヤーハウス」というビルに引越しをしました。
まさにうってつけなビルですよね・・・。
入会したのはもっと後のVol.15の頃なのですけど、映画公開の署名を持って遊びに行きました・・(^_^)。
そこでスタッフの方から持っていないバックナンバーを貰って帰ったのを記憶しております、優しくて楽しかったです、今頃ですがどうもありがとうございました。m(_ _)m
日本では "LOVE GUN"の発売を目前にしている時期でしたので、ニューアルバムの紹介が載っていましてさすがの批評と周辺の話題を提供してくれています。
"INSTRUMENTS"では当時では数少なかったであろう様々な写真からギター、ベースなどの形式をメンバー別に紹介しており、その推察眼と考察にいつもひれ伏して読んでいました。
   C'MON Vol.13-Sep-1977
C'mon Vol.13 この号では記念すべき「KISS大研究」が始まりました。
会長である、青柳つとむ氏が独自にKISSのターニングポイントになる曲をピックアップして訳詞を行い、背景のKISSの思惑?!を模索するといった奥深いコーナーであった。
初回である今号は"Detroit Rock City"で、単なる交通事故の話ではなくKISS自身の事を歌ったものでは?と考察されていて、読んでいる自分も「おぉ、そういえばそんな雰囲気でもあるなー」と納得、関心をしてどんどん青柳氏の深みにハマって行ったのでした・・・。
"INSTRUMENTS"を担当しているスタッフやすし氏が書いた「海賊盤リスト」・・・。
これはもうとにかく参考にさせて頂きました。m(_ _)m
当時、お金もなく細々とおこずかいを貯めてレコードを買っていましたが、そこにブートの甘い誘惑を持って来たのがこのコーナーでして、その後記事を参考に3枚の海賊盤を購入する事にしたのであった・・・。
その3枚とは名盤の"Destroys Anaheim","Destroys Anaheim Part2"と日本77年来日公演の"Mama Weer All Crazee Now"です。(今も大事に持っています)。
巻末に「キッスの仮面を剥ぐ」という内容の記事を抜粋したものだが・・(内緒って書いてあるけど、もう時効だろう・・)。 内容が当時の僕にとってはナマ生しくロック業界の裏を見たかのようで、「何か明るくって楽しいバンド」というイメージではない部分を見せられた様でちょっと怖かったのでした。
   C'MON Vol.14-Nov-1977
C'mon Vol.14 最初のニュースに"ALIVEII"のリリースの情報がある、この時点ではまだ「ライヴ・イン・ジャパン」盤は翌年2月頃に発売延期と うたってはいるのだが・・・
さらにこの時にソロアルバムの発表も計画中などのコメントもあるのが注目すべきニュースであろう・・。
「KISS大研究」の第2回で"Detroit Rock City"の考察を終え本人のコメントで「これはあくまでもボク個人の意見なので、かならずしも正しいとは言えません」と書いていますが、僕は全面的に氏のあげた意見に同調しておりました。
インフォメーションのコーナーではビクターが当時作った「KISSのくちびるバッチ」を何と1個500円で販売していました。
コレ買いましたよ、当時・・・次の号で入会した時もまだ残っていたので注文しました。
今ずっと探しているんですけど、どこに行っちゃったんだろうなぁ・・・(T-T)。
実家にあると思うんだけどなぁ・・
   C'MON Vol.15-Jan-1978
C'mon Vol.15 表紙を開くとそこには "ALIVE II"のブックレットの見開き写真があってよく見ると変なトコがあるよん、ってクイズ風になってるが去年から出まわっている外国製リマスターCDでもブックレットが復刻されているので確認してみてね。
"ALIVE II"のリリースに合わせ再度レビューを行っているが、その後にある"KISS Bootleg Guide"に「正規の最新ライヴ・アルバム"ALIVE II"が曲の寄せ集めなのに対し・・最近のステージの雰囲気などは"ALIVEII"より確かに味わえる」とBootlegである "SNEAK ATTACK"を紹介しているトコロは衝撃的でもある。
個人的にハマっている「KISS大研究」は第3回になってエースの人間性を探るとサブタイトルをつけ "COLD GIN"を扱っている。
ここでも氏の存分な考察が生きており訳詞の難しさ、楽しさを教えてくれております。
まぁ、結局のトコロ書いた本人が言わなきゃどうとでも取れる歌詞は想像の域を越せませんけどね・・・。
"THE EVOLUTION OF KISS" という見開きには "ALIVE II"のブックレットになったヒストリー部分を訳して載せてくれていました。
これをネタに当時高校の「英語部」であったボクは原文をブックレットから、訳文をこの記事から・・何カットかのイラストを模造紙に描き文化祭で発表しました・・・(^_^;;
   C'MON Vol.16-Mar-1978
C'mon Vol.16 2年連続の来日公演を目前に控えたもので、ソロアルバムの件は既に4人が夏頃には一斉に発売するとまで書かれています。
巻頭特集では今でも楽しめる"Single Discography"になっており、アメリカ盤のシングルジャケット、カサブランカレコードのロゴマークの遷移、イギリス、フランス盤のマキシシングルなどのジャケットなどモノクロ紙面でも十分楽しんだ企画でありました。
「KISS大研究」はエースの第2回目で"COLD GIN"に続き"Parasite"にも及んでなかなかエースの本質?!を探り当ててるんじゃないかな、と思わずにはいられない内容になっております。
   C'MON Vol.17-May-1978
C'mon Vol.17 表紙は厚いし何しろ「来日記念特大号!!」すごーい!!
と思ったのはつかの間・・・表紙を開いたトコに"Dear All Members in Kiss Fan Club"とある・・ふむふむ、何だ・・・・(しばし読む)・・・・うげー!!ファンクラブ解散だって・・・うっうっうっ・・・入ってまだ半年なのに・・・
でも、そんな勝手は許されん残された間は一緒になってKISSを応援し続けるぞー!!と誓ってましたね、当時。
コンサートレポートもキメ細かく報告されていて自分の行った日と比べながら、確かめながらレポートを読んだ記憶があります。
途中にはポールの壊したギターの写真やメンバーの投げたピックが出てたりでもう感激。
姉が知り合いから借りてきたエースのピックも触って悦に入ってたし・・・見て触れるだけでも満足だったす。
"Instruments"では来日公演のステージについて書かれていてこれも雑誌で見られるようなモノとは一味違う出来でサスガと思いましたね。
会員の書かれたアメコミタッチの漫画は面白いのであった・・・本当にいいセンスなんだよね(^_^)。
見せられないのが残念ですわ・・・。
   C'MON Vol.18-July-1978
C'mon Vol.18 この裏表紙にはよく見るポスターの写真の別カットでエースが本当に楽しそうに笑ってるカットが掲載されてます、すごく好きなカットです。
巻頭特集では「レコーディングのすべて」と題されてトラックダウンなどの模様を説明してくれています。
こういうエンジニア的な内容も興味があったのでとても楽しく読んだ事を覚えています。
「KISS大研究」もエース編の第3回目、テーマも "Strange Ways","Getaway","Shock Me","Rocket Ride"を取り上げていてボリュームいっぱい。
でも、"Detroit-"の時のような細かな解説はなくもうちょっと細かくしてても良かったかな、でも残りあと2号だもんね・・無理も言えません。
このコーナーは「訳」という部分を新しい観点で見直させてくれた好企画でした、本当にありがとうございます。
"Instrumnts"のコーナーも既に8回目を向かえポールが壊すギブソン・マローダーの山積みショットが載ってたり、70年代のポールのギターの象徴フライングVにスポットが当てられている。
"Dear All Members in Kiss Fan Club"として解散に至るまでの話が掲載されているが、辛い立場の会長、スタッフの心内が見えかわいそうになってしまった。(T-T)
この頃御茶ノ水の全電通会館で行われたフィルムコンサートに足を運んだりした・・。
   C'MON Vol.19-Sep-1978
C'mon Vol.19 もうラス前。(T-T)(T-T)・・・・・
「KISS大研究」では"Black Diamond"を取り上げ会員の訳といっしょに載せる事で様々な読み方が出るのが判って大変貴重な資料にもなった。
時期的には "Double Platinum"が発表になった後でシングル盤の "Strutter'78"のテイクが別バージョンなど、興味深い内容もあったが、先に行われたフィルムコンサートのレポート写真には一緒に入った姉が写っているのがちょいクヤシイのであった。
4人のソロアルバムの全曲タイトルが掲載されFM番組では特集を組んで殆どの曲をリリース前にオンエアしたりと忙しい時期でもあった。
また、映画 "KISS MEETS THE PHANTOM"の署名運動のお知らせがあったりと僕もそこそこ忙しくKISS関係で動いていたのであった。
結局300名ほどの署名を集め事務所に持ち込んだのであった・・・感涙。
   C'MON Vol.20-Dec-1978
C'mon Vol.20 もうこれで終わり・・・寂しく悲しい事でした・・・。
表紙には季節的に "MERRY KISSMAS" と書かれセンスの良さに笑いながら、そのファンクラブが無くなるという現実に涙したのであった。
巻頭特集では映画のプレビュー用に作られたニュースペーパーから内容を伝えています。
この後10年近く経ってあるレンタルビデオ屋でビデオジャケットを見たのであった。
内容については・・・聞かないで下さい・・・しかし、"Hotter Than Hell"の別バージョン?!の歌詞が聞けるのが面白いかな?
「KISS大研究」では"ALIVE II"のスタジオテイクのオリジナル曲の4曲にスポットを当てて紹介しています。
歌詞の内容も勢いに乗ってる「現在」なのであまり面白みはなかったねぇ・・。
"Instruments"では来日時に使用していたグレコの "MR-1000"などにも触れ最後を飾ったのはポールの "PS10"であった。
まだこの頃はアイバニーズじゃなくてイバニーズって言ってたんだよねぇ・・Ibanez
この記事はまだPS10という名前が世に出る前の話で"Iceman"でしたね。
最後には会長の挨拶が掲載されており、何度も何度も、読んで一人別れを惜しんでおりました。m(_ _)m
   Direct Mail
DMはこんな感じ "KISS'IN TIMES"と名前がついた会報の間の補完DMです。
所有しているのはVol.9「来日スケジュール決定」,Vol.10「来日後のニュース」,Vol.11「ダブルプラチナムの情報」,Vol.12「ソロ・アルバムのジャケット知らせ」です。
このページのタイトルにも使わせて頂いたファンクラブのロゴがあるとすごく喜んでいました、会報も黄色い封筒にこのロゴが印刷されていていつも来るのを楽しみにしていたのを懐かしく思い出されます。
今思ってみても暖かい感じのファンクラブで無くなってしまったのは本当に惜しい出来事だったと思います。
でも、昔のファンクラブって青柳つとむ氏のように「単なる1ファン」が集まってレコード会社の公認を取って・・とかかなり地道な活動をしてたんだと思います。

今ではファンクラブの意義って昔のそれのように「情報の共有」ではなく、「チケット確保の優先権」みたいなものになってしまいましたね。
情報発信をマメに行ったり、ファンを大事にしているファンクラブもありますが、運営側とファンの立ち位置も何となく微妙に変わってしまいました。
このKISS FAN CLUBのように暖かな思いが出来る場ってもう存在しないとさえ思っています。アーチストがより近しい存在になっているのもあるのかもしれませんが、苦労されている運営側の方と一緒になって応援しているという恰好はどこかもどかしい所がありながらも、同士としての熱い思いを共有出来ていたと思います。
若き情報に飢えていたあの頃、このFAN CLUBに出会えた事、参加出来た事を嬉しく思うとともに、関係者の皆さんに感謝をしています。

HOME | KISS