とりあえず、こういう事のようだ・・・。 まず困るのがこのツアータイトル、フェアウェル・ツアー"Farewell Tour"だ。 Farewell=別れ、送別・・の様な意味だと思う・・・この別れの部分がどこにかかるかが重要だ。 つまり、1973-2000と続けてきた偉大なロックバンドKISSに別れを告げるツアーなのか、リユニオンツアー以来オリジナルラインナップになった現メンバー、エース、ピーターに対して別れを告げるツアーなのか、だ。
個人的意見、観測で言うならば後者だと思うし、そうあって欲しいと願わざる得ない。 そもそもバンド多忙時期に戦線離脱してしまった両メンバーが、その時と同じメイク姿で帰ってくるという事自体がミラクルであった訳だし、我々ファンにあの当時を思い出させるかのようなステージを展開してくれた事に対して多くのマジックを与えてくれたと思う。 しかしだ、順風満帆と見ていたブルース、エリック(シンガー)による最強バンドがunplugged前後から崩れ去り、自ら身を引くような事で始めた今回のリユニオン〜の経過は今この時を迎えるのは必然であったとも思える。 それは当初よりエース、ピーターには「期限付き」であった復活劇であったもので、この発表は予想された出来事に違いない。 それなのに、何故ここで胸騒ぎがしてしまうのか・・・それが問題であるツアータイトルな訳だ。 でも、よくここまで続けたもんだと思う・・・KISSではなくリユニオン以後の話だ。 リユニオン発動時点でエースは過去の自分が弾いてたリフを自らのコピーバンドのエース役に教えを乞うという状況だったというし、そのリハビリによってどこまで復元出来るか?あの頃よりも確実に老いたメンバーのアクションを少しでも復活する為に身体のリフレッシュをしてまでも、ようやくツアーに間に合わせた。 そのパワーに感服するしプロ精神は昔とまったく変わっていないのだな、と嬉しくも思う。 そんなニュースを聞きながら飛び込んで来たニュースは休暇中であったはずのブルース、エリックの脱退のニュースだった。 リリース直前と思われたアルバム「カーニバル・オブ・ソウルス」もBootlegが氾濫し、沈静させるかのようにオフィシャル・リリースがされたが、既にリユニオンツアーがスタートした後だけに過去のアルバム・リリースというインパクトで時代からは遅れたものという雰囲気も拭い切れなかった。 リユニオンは2年に跨るワールドツアーとなり、各国で大盛況だった。 日本でも97年に来日、東京、名古屋、大阪、福岡、広島まで周るツアーで中盤に毎度のジーンの不調も見せながら、ライヴ、CM撮影等積極的なアピールを行っていた。 観客もかつての70年代ファンをも呼び込み世代の広さを見せつつも、単にノスタルジーだけに頼らないステージを展開、観客を魅了した。 あっという間の波も消え去りドイツでツアーの終演を迎えた。 その後、あればいいけど、ある訳ないなーと思ってたオリジナルメンバーでのスタジオアルバムが発表、そう"PSYCHO CIRCUS"だ。 我々の予想を覆し見事なまでのKISS節を見せたタイトル曲やエースのヴォーカル曲などもフューチャーし、世論の「Destroyerの現代版」の評も寄せ付けず、現代のKISSを表現して見せた。 しかし、アルバムのパワーはさほど続く事はなかった・・・ツアーが始まるLA.ドジャースタジアムのハロウィンライヴは3Dライヴのお披露目で話題を呼んだが、その後ツアーが全開になってもリユニオンとさほど変わらない内容に観客動員数も激減。 ライヴ以外で"SECOND COMING"のセールスに注目が行ったり、ポールは「オペラ座の怪人」のファントム役で出演する事となり、来日が待たれていた98年のスケジュールを完全に蹴ってしまうし、映画"DETROIT ROCK CITY"プレミア試写会など、本来の活動以外で注目されていたのが、これまでの流れである。 ようやく、スタートするってのに・・Farewell Tour。 とりあえず、メンバーが死に別れした訳でもなく(Queenのようにメインボーカリストが死んでしまったら解散せざる得ない)とりあえず今はツアーに前進しているのだから、我々もその進行を見つめて行こう・・・。 そして、彼らが我が日本に姿を表した時盛大なる賞賛で迎え、ライヴを堪能し次の地に送り出してあげましょう・・。 今はそれしか言えないですね。。。 ![]() 時は流れ、KISSは無事に2001年3月にFAREWELL TOURをここ日本でやってくれました。 まぁ無事というには語弊があるのは充分承知だけれど(Peterの代役にEric Singerが入ったこと)その勤めは潔く行って日本公演を終わらせてくれたと感謝している。 Peter抜きを残念に思う気持ちは自分にもある・・・でも、昔の曲を今焼き直ししてもパワーの衰えは隠せない。 ましてドラムの衰えは歳と共に顕著に現れるであろう・・・"Beth"の為に来てもらっても・・・というのが自分なりの正直な気持ちだ。 チャールストンでのライヴで結成初期の頃のようにドラムセットを蹴散らすPeterの姿があった・・・彼はあそこで完結(Farewell)したのだろうと思う。 その後を継いだのがEricSingerでよかったじゃないか!!彼もれっきとしたKISSなのである。 歴代のドラマーであった彼は追い出された格好になった正ドラマーの後をしっかりと埋め、役割以上のプレイをしてバンドを生き生きと蘇らせて、我々の目の前でショボい姿で終わらせようとはしなかった。 今回のFarewell Tourの日本公演の一番の功労者はEric Singerであった。 そしてきっちりと日本公演をやってくれたPaul,GeneそしてAceに感謝をしたい、どうもありがとう。 |