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ついにこの日が来た。
隠し続けた幾年。 もうそろそろ、真実を告げても良いだろう、きっと受け入れてくれるはずだ。
さて、何を告白したか、だ。 サンタクロースの真実をだ。
幸いな事にSyunに限っては半信半疑ながら、今まで心待ちしてクリスマスを待っている姿を見られたのは親として至福の一時だった。 それでも最近のプレゼントの希望品は入手するのも一苦労な物になっていっていた。 それだけによっぽど心配になるのか、本当にサンタさんがプレゼントを入手して貰えるのかどうかと思い悩み、酷い落ち込みようなのだ。 何だかプレゼントを楽しみにしている姿ではなく、本当に希望の物が貰えるのかが不安になって泣き出す姿を見るにつけ、早くサンタの真実に気がついて欲しいという気持ちになっていった。 今日、Kenに携帯、洋服を買ってやり、Syunにも何か、と店に行っても欲しいのはアレ以外にないので、他の物に目が行かない、そして落ち込み、泣いてしまう彼を見て決意した。
Syunに内緒でKenに帰ったらサンタが誰かをうまく説明させる様に言った。 結局Syunは落ち込んだまま帰って布団に潜り込みふさぎ込んでいたが、Kenが説明した通りにうまく真実を伝えることが出来たようだった。
部屋にいると、しばらくして先程よりさらに泣きながらのSyunが入って来た。 プレゼントの確保が出来たと思い、笑いながら来ると思っていたので、正直面食った。 ひとしきり泣いた後、声にならない声だったけれど彼の口から「ありがとう」を聞いた時、ちゃんと俺達の気持ちは届いていたのだと実感した。
今まで楽しませてくれてありがとう。 来年からは皆で買い物に行こうね。
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